2024年03月24日
「健やかなエイジングへの挑戦 ~新しい価値観の探求?~」
人生には様々な局面がありますが、加齢に伏う変化は避けられない自然の理であり、受け入れるべきプロセスです。しかし、単に年を重ねるだけでなく、質の高い人生を送り続けることが何より重要です。そのためには、エイジングへの積極的な挑戦が欠かせません。
エイジングには、自然なエイジングと病的なエイジングの2側面があります。自然なエイジングとは、時の経過とともに起こる生理的・心理的な変化のことです。これは生命体全てに備わる当然の現象であり、受け入れられるべき普遍的なプロセスなのです。一方の病的なエイジングは、ストレスの蓄積や生活習慣の乱れ、有害な環境的要因などから引き起こされる、老化を異常に促進させる負の側面を指します。
アンチエイジング志向は、この病的なエイジングに対する取り組みであり、予防や改善を目指す健全な試みだと言えます。過度なエイジングを抑制し、理想的な加齢過程を実現しようとするアプローチには一定の合理性があります。カラダとココロの健康的な老化を追求することは、質の高い人生を全うするために重要なのです。しかし一方で、アンチアンチエイジング派は、エイジングそのものに肯定的な価値を見出そうとします。加齢とともに変化する自分と向き合い、新たな価値観を獲得していくことをめざすのです。
この二つの立場は一見相反するように見えますが、本質的には対立するものではありません。なぜなら、双方が目指すゴールは”健やかで充実したエイジング”というひとつの理想なのですから。自然なエイジングは許容し、病的な側面のみを予防・改善する。そしてその過程で、新しい価値観をアンチアンチエイジングの視点から切り拓いていく。エイジングは人生の重要な一場面であり、その中に新たな可能性を見出していくべきなのです。
チャレンジ精神を持ち続け、新しいことに積極的に挑戦することが何より大切です。年齢を重ねるごとに変化する身体と向き合い、求められる新しい生き方を見出していく。それこそが、本当の意味でのアンチエイジングなのかもしれません。変化を前向きにとらえ、エイジングの新たな側面に目を向けることができれば、加齢に伴う変容をポジティブに捉えられるはずです。
例えば、仕事から解放され時間的余裕ができた中高年は、新たな趣味を見つけ、人生の醍醐味を味わうチャンスが広がります。一方で、フレッシュな視点と熱意を持つ若者とのコラボレーションを通じて、世代を超えた相乗効果を生み出すこともできます。このように、エイジングに伴う変化は、かえって新しい価値観や可能性を生み出す源泉ともなり得るのです。
要するに、アンチエイジングとアンチアンチエイジングは相反するのではなく、車の両輪のようなものなのです。アンチエイジングにより健康的な老化を実現し、アンチアンチエイジングの視点から新たな価値を見出していく。この二つを統合することで、本当に充実したエイジングが実現できるはずです。加齢に伴う変容から新しいことを発見し、常にチャレンジし続ける姿勢を持つこと。それがエイジングを有意義なものとし、人生の質を維持・向上させる鍵なのかもしれません。
人生100年時代が到来したいまこそ、新しい価値観の探求に意欲的でありたいものです。未知なるエイジングの可能性に挑戦し続け、変化の中に可能性を見出していく。そうした姿勢がエイジングを豊かなものへと導き、次の世代へとバトンを手渡すことができるはずです。