2025年01月13日
膝の痛み、動かさない方が良いと思っていませんか?実は…
鍼灸サロンQinowaに通われる患者様の中にも、膝の痛みに悩まされている方は多いのではないでしょうか。歩くのはもちろん、立ち上がる時や階段の上り下りなど、日常生活の様々な場面で痛みを感じ、辛い思いをされていることと思います。
「膝が痛いから、なるべく動かさないようにしている」
そんな声をよく耳にします。確かに、痛みが強い時は安静にすることも大切です。しかし、実は 膝の痛みを改善するためには、あえて“動かす”ことが重要 なのです。
膝の痛み、原因の多くは「変形性膝関節症」
中高年以降に多く見られる膝の痛みの原因として、最も多いのが「変形性膝関節症」です。これは、膝関節のクッションの役割をしている軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかることで痛みが生じる病気です。国内のある調査では、40歳以上の変形性膝関節症の有病率は、男性で約42%、女性では約62%と非常に高い割合を示しています。
なぜ「動かす」ことが大切なのか?
「痛いのに動かすなんて…」と驚かれるかもしれません。しかし、膝関節を動かさないでいると、軟骨の新陳代謝が滞ってしまいます。軟骨は、関節の動きによって周囲の関節液から栄養を取り込み、老廃物を排出しています。この仕組みは、まるでスポンジのようです。しかし、膝関節を動かさない状態が続くと、この新陳代謝が低下し、軟骨が弱ってしまうのです。
特に 長時間座りっぱなしの姿勢は、軟骨にとって非常に悪い状態 です。デスクワークが多い方は、30分に一度は立ち上がって、軽くストレッチをするなど、こまめに膝関節を動かすことを心がけましょう。
緊張を解きほぐすことが、膝の痛みの改善への第一歩
ここで、もう一つ重要なポイントがあります。それは、身体全体の緊張を解きほぐす ことです。
例えば、長時間の運転やデスクワークなど、同じ姿勢を続けることで、身体は徐々に緊張し、硬直していきます。特に、下半身に負担がかかりやすく、膝の痛みにもつながります。
このような状態を改善するために、運動やマッサージ、ストレッチなどが効果的です。しかし、ガチガチに固まった身体をいきなり動かすと、かえって痛めてしまう可能性 もあります。
まずは、身体全体をリラックスさせ、本来の柔軟性を取り戻す ことが大切です。身体が緩んだ状態を思い出すために、深いリラクゼーションが必要になることがあります。
場合によっては、プロの手による深層のマッサージが有効な場合もあります。深いマッサージは、固まった筋肉をじっくりとほぐし、血行を促進するだけでなく、心身ともにリラックスさせ、緊張を解きほぐす効果が期待できます。
もちろん、ストレッチも効果的です。しかし、これも、身体が緩み、リラックスした状態で行うことが重要です。無理なストレッチは逆効果ですので、心地よさを感じられる範囲で行いましょう。
つまり、膝の痛みを改善するためには、ただ動かすだけでなく、身体全体の緊張を解きほぐし、リラックスした状態を作ることが大切なのです。
膝の痛みを改善!「足振り子」エクササイズ
緊張を解きほぐした上で、膝の痛みに悩む方におすすめしたいのが、「足振り子」 エクササイズです。これは、すり減った軟骨の再生を促す効果が期待できる、非常に簡単なエクササイズです。
「足振り子」のやり方
- 椅子に座り、太ももを少し持ち上げて、片足をぶらぶらと前後に振ります。
- 力を抜いて、リラックスして行うのがポイントです。
- 左右30回ずつを1セットとし、1日に朝・昼・夕と3セット行いましょう。
この簡単な動きが、なぜ軟骨の再生に効果的なのでしょうか?
実は、この動きによって膝関節を覆う「関節包」の中にある「滑膜細胞」が刺激されます。すると、滑膜細胞から関節液が分泌され、軟骨に栄養が供給されるのです。さらに、この関節液にはヒアルロン酸やコンドロイチンといった、軟骨の再生を促す成分も含まれています。
つまり、「足振り子」は、膝関節に自前の“潤滑剤”を補給し、軟骨の再生をサポートする エクササイズなのです。
膝の痛み、諦めないで!
「年だから仕方ない」と膝の痛みを諦めていませんか?
もちろん、症状によっては医療機関での治療が必要な場合もあります。しかし、日頃から膝関節を意識的に動かすこと、そして身体全体の緊張を解きほぐし、リラックスすることを心がけることで、痛みの改善や予防につながる可能性は十分にあります。
「足振り子」は、誰でも簡単にできるエクササイズです。ぜひ今日から始めて、元気な膝を取り戻しましょう!
当院では、鍼灸治療と併せて、このようなセルフケアの方法もお伝えしています。また、身体の緊張を解きほぐすための施術も行っております。 膝の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。