2020年03月25日
鍼は痛い? 痛くない鍼はある?
こんにちは!
治療室キノワ 松原(まつはら)です!
「友達を紹介したいのだけれど、鍼は効くとわかっていても、ズンッという痛みがこわいと言われます、、」
と、お客様からお話されることが度々あります。
みなさんは、鍼治療を受けたときに痛みを感じたことはありますか?
今日は、
鍼は痛いのか?
なぜ痛いのか?
痛くない鍼はあるのか?
について、お話していきます✨
鍼を刺すときに感じる「痛み」には、大きく分けて2種類あります。
1つ目は、鍼を刺した瞬間に「ピリッ」と鋭く感じる痛み。
2つ目は、鍼を身体に刺していく過程に感じる「ズーンッ」とか、「ズキン」という痛み。重いような痛みだったり、神経に沿って広がるような痛みのこともあります。
痛くない鍼を刺せるように!と、私たちは学生時代から練習を続けるのですが、実は2つ目の「ズーンッ」という痛み(響きともいいます)は、治療法の一つとしてあえて行うことがあり、意味(効果)のある痛み(響き)であったりもします。
しかし初めて鍼を受ける方は、その違いがわからないのは当然で、「ズーンッ」という最初のインパクトが強く残ってしまい、鍼=こわい、痛いというイメージになっているのかなと思います。
この2種類の痛みは原因が違うため、対応も違います。
今日は、痛みの発生理由とその対応についてご紹介したいと思います!
1つ目のピリッとした鋭い痛みは、皮膚の痛みの受容器(高域値機械受容器というところ)で刺激を受け取り、脳へ伝えています。
この痛みは、鍼を受ける側の体質や体調によっても感じ方が変わります。
寝不足やストレス、生理前や生理中は普段より肌の感覚が敏感になっているため、痛みを感じやすくなることがあります。
こちらへの対応は、痛みを感じた場合はすぐに鍼を抜くこと、そして、その部分をゆっくりと押したり揉んだりすると、たいていはすぐに痛みが消えます。
また、痛みが感じやすい体質や体調の場合は、鍼を刺す前に、その部分を押したり揉んだりすると、ピリッとした鋭い痛みを感じにくくなります。
2つ目のズーンッとした痛みは、皮膚や筋肉、内臓諸器官に広く分布している受容器(ポリモーダル受容器といいます)で、刺激を受け取り脳へ伝えています。
鍼を身体に刺していく過程で、「ズーンッ」としたり、「ズキン」と感じる痛みですが、こちらは、鍼を抜いた後も少しの間、重いような痛みを感じ続けることがあります。(これを効いている感じがするとか、気持ち良いと感じる方もいます)
押したり、揉んだりすると、少し緩和しますが、一定の時間が経つことで消えるものです。
こちらは、鍼を刺すスピードや、刺し方(回旋させたり、上下させたり)などを工夫で、痛みを感じなくすることが可能なのです。
ですので、
「鍼は効くとわかっていても、ズンッという痛みがこわい」
という方は、事前に鍼灸師にお伝えいただくことで痛みもこわさも感じないように治療を受けていただけます。
実際に使用する鍼の太さは、0.14~0.3mm程度です。
人の髪の毛の太さは、0.10mm程度と言われていますので、どれだけ細くて繊細なものかお分りいただけると思います。
また、先端を丸く加工して痛みが出にくいように仕上げた鍼もあり、現在は、より痛くない治療ができるようになっているのです⭐︎
わたしはこれまで、経絡治療という非常に刺激の弱い治療を行なってきました。
東洋医学をベースにした治療のため、身体の中に流れている経絡という流れ道を、手足のツボを使って調整していく治療法です。
鍼を刺す深さは、わずか1~2ミリ程度。
場合によっては、鍼を皮膚の上に置いて、シールで留めるだけのこともあります。
鍼を刺さないのですから、当然痛みはありません。
そんな治療法もあるので、諦めてしまう前に一度、ご相談いただけたら嬉しいです。
次回は、弱い刺激の方が治療効果があるって本当!?と、疑問に思った松原が、実際に中国研修で強刺激治療を体験したレポートをご紹介いたしますので、もしよければ読んでみてください⭐︎