2020年03月28日
強い刺激と弱い刺激、どちらが効くの?!
こんにちは!
治療室キノワ 松原(まつはら)です!
みなさんは、強い刺激の治療と弱い刺激の治療、どちらが効くと思われますか??!!
(うーん、、イメージでは、なんだか強い刺激の方が効果が出そうな感じがしますが。。果たしてどうなのでしょう。)
結論から言うと、刺激に関しては「好み」なのだと思います。
(というと乱暴な感じがしますね、ここで話が終わってしまってはいけません汗)
ここでの「強さ」の定義は、体に与える刺激の「大きさ」ということにします。
一般的に強い刺激というと筋肉や神経などにアプローチする西洋医学的な治療が多く、弱い刺激というと皮膚表面の経絡に対してアプローチする東洋医学的な治療が多いようです。
わたしは、これまで経絡治療という弱めの鍼灸治療を行なってきました。
経絡治療というのは、
「痛みや不調のある場所に直接刺激・治療を行うのではなく、痛みと関係のある経絡(流れ道)とツボを刺激して流れを良くすることで、痛みや不調を改善させるという治療法」です。
お子さんからお年寄りまで、どなたでも無理なく受けていただけるとても優しい治療です。
北海道での修行時代
「弱い刺激の方が身体に負担がなく、とても効きますよ」
とお客様にご説明していたのですが、
ある時ふと、
(それって本当なのかな、、)という疑問が沸いてきました。
(弱刺激の治療しかやったことがないのに、どうして強刺激よりも弱い方が良いと言えるのだろう、、)と。
(これは自分で納得して説明できるように確認しなくては!!)と思い立った私は、
中国にある上海中医薬大学の針灸科へ短期研修へ行きました。もう数年前の出来事です。
(日本にある中国針のお店も行きましたが、日本人に合わせてくれているところも多いため、やはり全く違いました。)
中国針というと、
太くて長い針をグイーっと刺していき
痛いけれど、とても効果がある、、、というイメージ。
ザ!強刺激!の治療です
(現在は弱刺激で、痛みのない針をするところも増えたそうです)
私の研修先は、大学病院の針灸科。
地域の針灸施設よりも重病の患者様が来る場所でした。
目にするもの全てが、ザ!強刺激!驚きの連続でした。
日本のように、筒を使ってトントンと鍼を刺していく訳ではなく、
長い針を一気にグイッッと皮膚に刺し込むのです。
ちいさな子供も始まる前は、
「こわい、こわい、痛い」と泣いていましたが、
あっという間に刺されてしまうと、本やゲームで遊びながら治療を受けていました。(奇声が出る子や夜尿症の子がいました)
さて、そうこうしているうちに、強刺激を目の当たりにして完全に腰が引けてしまった私が、実際に中国針治療を受ける機会がやってきました。
椅子に座り、テーブルに前屈みに突っ伏して、首から肩の治療を受けることになりました。
(え、座りながら、、?え、、、ここで??)
と不安が最高潮に達した時に
ブス ブス ブス!!
と、勢いよく刺されているではありませんか!
なんと!強いけれど、痛くない!不思議!な感覚です!
さらに、針の先にお灸をつけて熱を加えていきます(灸頭針といます こちらの写真のような感じです)
(熱い!けど、気持ちいい!!)
なんということでしょう。これまで、弱い刺激が良いとおもっていたのに、強刺激いいじゃん!と。笑(←単純。)
強い刺激の良さを知らなかっただけだったのです。。。反省。
そんな私の衝撃をよそに、
先生はどんどん針を打ち、
「どう?」と涼しい顔。
結果、とても気持ちのよい針でした。
しかし数分後、サーッと血の気が引いていく感覚があり、だらだらと冷や汗が、、、、さらには吐き気が。
これはまずい、と、先生にすぐに針を抜いてもらい、しばらくベッドで横になり休むことになりました。
「反応が出ただけね、少し休めばなおるよ」
と、またもや涼しい顔の先生。
とっても効いたのですね。
(お身体の状態によっては、ごく稀に、このような反応が出ることがあります。)
ホテルへ戻り、すぐにぐっすりと眠りにつき、次の日の夜くらいにはすっきりと身体が回復していました!!
弱刺激の良さは、日々の臨床で何度も感じてきましたが、強刺激であってもこんな風にすっきりとした感覚があることを実感しました。
日本の鍼灸は、日本人の繊細な身体に合わせて改良されており、強刺激といってもこのような細い鍼を使い、痛みはほとんどなく、安心して受けていただけます。
キノワのように様々な治療法を持った治療家がいるお店は、自分に合った治療を見つけやすいのかなと、私は思います。
初めのところで、「刺激の強さは好みだと思います!」と言いましたが、
お身体の状態によっては、刺激の強さが合う・合わないということがございますので、鍼灸師と相談してその日のお身体に合った治療で元気になっていただけたらと思います。