2020年09月21日
疲れすぎて眠れないときのアロマ&ハーブ 睡眠の質を高めるセルフケア⑥
こんにちは!治療室キノワ佐藤緑です。季節はいつの間にか秋。これからやってくる厳しい冬に備えるためにも、早いうちに夏の疲れをしっかりと癒し体力を補いたいですね。とは言っても、睡眠の質を高めるためには(前回ご紹介したように)食べ過ぎ・飲み過ぎにはご注意ください。
さて、今回は「疲れすぎて眠れない」がテーマ。おすすめのアロマとハーブもご紹介します。
心と体に無理をかけすぎていませんか?
「大切なものは無くした時に気づく」といいますが、私たちの「心と体の健康」も同じです。元気と思っているうちは身体に鞭打って頑張りますが、もしかしたら心の中の糸を切れる寸前まで引っ張っている状態かもしれません。
「疲れる」ことは日常よくあります。運動しても疲れる、掃除をしても疲れる、勉強しても疲れる、仕事をしても疲れる・・・
でも「疲れすぎ」が続くと、心と体に大きな負担がかかってしまいます。
疲れすぎと不眠の関係
①体内時計の乱れで・・・
「夜になったら眠くなり、朝になったら目が覚める」という睡眠のリズムは体内時計(サーカディアンリズム)がつかさどっています。
じつは光や温度の影響を受けない真っ暗な場所で生活していても、この睡眠リズムが生じます。ただし、人の体内時計の周期は正確には約25時間といわれていて、地球の1日の周期24時間とズレがあります。ですから、もしずっと真っ暗な場所で生活を続けていると体内時計は少しずつズレていってしまいます。
この体内時計の乱れを修正するが「朝の強い光」。朝日をしっかりと浴びて日中活動的に過ごすとリズムが微調整され、夜になると気持ちよく眠れるというわけです。
ところが、本来のリズムに反して夜でもずっと活動していたり明るい光を浴び続けていると、脳が「あれ?今は朝なの?」と勘違いしてしまい、間違った状態に時計を合わせてしまうのです。その結果「夜になっても眠くならない」という不眠状態を招くことになります。
あなたは毎晩遅くまで仕事をしていませんか?眠る直前までパソコンやスマートフォンに向かっている生活を続けていませんか?
体内時計は睡眠リズムだけでなく、自律神経系やホルモンなどの内分泌系、免疫・代謝系など、私たちが生きていく上で重要な機能の土台を担っています。体内時計の乱れは体内環境や生体機能の乱れにも直結しますので、決して軽く考えないでくださいね。
②ストレスによる過剰防衛の結果・・・
朝は始発で出かけ、昼食を食べる時間もままならない。夜遅くに帰宅してもパソコンに向かって翌日の準備、翌朝は慌てて飛び起きてまた始発で出かける・・・ これでは交感神経が一日中高ぶっていて、ずっと“戦闘モード”が続いているようなものです。私たちの体はストレスを受けると自律神経の中枢が興奮してアドレナリンが分泌されます。すると肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されてエネルギーが生み出され、緊急の活動に対処できるようになっています。「火事場のバカ力」と言われるのはまさにこと事で、ストレスに対する防御反応のひとつと言われています。
でも、私たちの抵抗力にも限界があります。ストレス状態が長く続き、ある時その限界を超えてしまうと、心身のSOSが様々な症状として現れてきます。
◎心身のSOS:主な症状
・胃腸の調子が悪い(胃もたれ、下痢、便秘など)
・食欲がない
・喉がつかえたような感じがする
・血圧が高い
・動悸、息切れ
・夜眠れない、眠りが浅く夢をよくみる
・やる気が起きない、ぼーっとしてしまう
・集中力の低下、物忘れが増えた
・疲れがとれない、朝から疲れている
・月経過多
・気分の落ち込み
これらの症状にいくつも当てはまったら、これ以上決して無理はしないこと。心と体が休養を求めているサインです。
疲れすぎて眠れないときにおすすめのアロマ(精油)
香りの情報は無意識のうちに脳にストレートに届き、心と体に直接働きかけます。今回はおすすめの精油を柑橘系とフローラル系でそれぞれ2種類ずつご紹介します。疲れすぎて心も体も悲鳴をあげそうな時はぜひ活用してみてください。
①柑橘系:グレープフルーツとオレンジスイート
柑橘系は誰もが知っているフルーツなので、香りもイメージしやすいですよね。みかんの皮をむいたときにパッと広がる香りを想像しただけで唾液がでてきませんか?このように、柑橘系の香りは「消化器系の働きを整える」という共通の特徴があります。
オレンジスイートは心や体の緊張をほぐしリラックスに導きます。またグレープフルールは学名に「パラディーゾ」という言葉が入っていて、まさに太陽が燦々と輝くパラダイスにいるような明るい気持ちにしてくれる香りです。
日中やる気が起きない、気持ちがどうしても落ち込んでしまう・・・ こんなとき、ぜひこの2種類の精油をティッシュに1~2滴たらし、深呼吸してみましょう。
②フローラル系:ネロリとラベンダー
ネロリはオレンジの花からとれる精油で、不安感を鎮めて心に幸福感を与えてくれる香りです。ラベンダーはみなさんご存知の通り、リラックス作用を代表する精油。疲れすぎて気持ちの落ち込みが強いときはネロリ、日常のリラックスタイムにはラベンダーなど、使い分けるのもいいですよ。
疲れすぎて眠れないときにおすすめのハーブ
疲れているからといって、夜でもエナジードリンクやコーヒーを飲むのはNG。カフェインの作用で一層眠りから遠ざかってしまいます。夕方以降はカフェインが入っていないハーブティーで心身共にリラックスモードに切り替えていきましょう。
①ジャーマンカモミール
スーパーマーケットでもよく見かけるハーブで、昔から「安眠のお茶」として親しまれてきました。リラックスに加えて炎症を鎮める作用もあるので、ストレスで胃腸が弱っている方にピッタリ!湯気とともに立ちのぼる青りんごのような香りと一緒にお楽しみください。
②バレリアン
バレリアンは紀元前から不眠症に使われてきたハーブ。中枢神経の興奮を鎮める作用があるので、交感神経が高ぶっている方におすすめです。ただ、ちょっと香りに癖がありまして、「蒸れた靴下のニオイ!」なんていう人もいたり・・・。でも、心身が本当に欲しているときは全然イヤな香りに思えないので不思議なものです。初めはストレートで飲むよりも、ジャーマンカモミールを多めにしたブレンドすると飲みやすいかと思います。
心と体を見つめながら香りやお茶を選んでいるときも大切なセルフケアのひとときです。ブレンドの割合いや精油やハーブの選び方など、ご質問がありましたらお気軽におよせください。
次回は「疲れすぎて眠れないとき」におすすめのツボ&セルフケアをご紹介します。